アイドルマスター 『STYLISH QUEEN★』 Azusa x Chiaking‐ニコニコ動画(SP1)-ekaoP

某所にて以前、僕は「ekaoPのblog名が好き」という、あたまのわるそうなHNを名乗っていたわけですが(ekaoPの頭が悪そう、という意味ではなく、僕のあたまがわるい、ということについては強調しておきます。なお、詳しくは追い出された!体よく追い出された!をご参照のこと)、ブログのタイトルだけでなく、ekaoPの作る動画も大好きだったりします。
中でも「これはたまらん!」と悶えたのが、これ。

まず最初は、この動画について、思うところ=痛い妄想を書いていきたいと思います。

70〜80年代ポップスを消化・昇華した名曲『STYLISH QUEEN★』

あずささんことたかはし智秋の歌う『STYLISH QUEEN★』は、昭和の香りに満ちた曲です。
メジャーコードで編まれた、古き良きアメリカンポップス調のメロディに、シンセのブラス音とスクラッチを取り入れた編曲。
また、たかはし智秋自身による詞は、ワンフレーズの前半に日本語、後半に英語を配するという、昭和のロックの黄金律に従ってつくられています。

熱くにぎわう wonderful days
いつも楽しい so Beautiful days
そんなあの娘は STYLISH QUEEN
ときめく きらめく LADYLUCK!

もう20年前になりますが、「平成名物TV 三宅裕司いかすバンド天国」の中で、確か吉田建が、こういう構文の歌詞を「今どきこんなのダサいよ」と切り捨てたことがありました。そう、「平成」という年号に移行したばかりのころは、「ダサい」という一言でくくられるものでした。
しかしそれから20年が経過し、熟成した今は、ダサいも何もありません。要は気持ちよくて格好よければOKです。

詞先か曲先かは分かりませんが、いずれにしても、作詞・作曲・編曲が鼎となって、70〜80年代の空気を現代によみがえらせたのが『STYLISH QUEEN★』だと思います。

そしてその空気を、ekaoPは上手に生かしながら、一つの物語をつくりあげます。

あずささんにメロメロ

その物語とは。
以下、時系列でピックアップしてみます。

0′11″

70〜80年代ポップスといえばヒットチャート。洋楽で言えばビルボードtop100とか、邦楽なら「ザ・ベストテン」やら「ザ・トップテン」とか。そんなチャート全盛の時代を、ekaoPは意識的にか、無意識のうちか、オーディションのランクの映像を使って象徴させています。

0′32″〜45″

歌がはじまると、あずささんに引っ張られるかのような、独特のカメラワークを見せます。

カメラとは視線という主観であり、カメラが引っ張られるということは視線という主観が引っ張られるのと同義です。
ここではあずささんに引っ張られるのですから、主観=カメラの手前で見ている僕は、あずささんに釘付け。
つまり、この時点で僕はあずささんに惹かれていきます。

1′20″〜43″

サビに入ると、カメラはあずささんのダンスに応じてより激しく動きます。
やや引きぎみで全身を映す位置から、

あずささんの顔へ一気にズームイン。あずささんへの注目度を高め、

さらになぎ払うような左腕の動きに合わせたズームアウトによって、「視線=僕の主観はあずささんのもの」であることを強調します。

続いてわざとピンボケさせ、ピントを合わせ直すことで、「あずささんを注目しているよ!」というメッセージをダメ押ししています。

サビの終わりにはあずささんのアップをフラッシュと重ねて瞬間的に関心を引き…それにしても、このあずささんのかわいらしさったら! ありえない! ありえないぐらいにかわいいじゃないですか!

間奏に入ると今度は「静」のあずささんをじっくり見せてくれます。

もうこのあたりで僕はあずささんにぞっこんLove(80年代風)。70年代風に言えばメロメロです。というより、これでメロメロにならなかったら僕はどうかしてる。ああよかった僕は正常なようです。

2′08″〜

ここまでであずささんLOVEゲージはmaxにまで振り切れているわけですが、そんな僕に向けたさらなるご褒美が、ここから。

ヌキヌキ切り抜きの効果はいろいろありますが、ここでは「僕の大好きなあずささんだけが抽出されて、動いてる、動いてるよっ!」ということ。「スクラップブック的」あるいは「あずささんコレクション的」な意味を感じました。ああ、あずささんなんて麗しいんだあずささんあずささん!

…と、もう、舞い上がってしまうわけですが、大事なことを、実は一つ忘れています。
それは、あずささんをカメラ越しにしか見ていない、ということ。
だから最後の最後で、しっぺ返しを食らいます。

2′37″〜

あずささんは、脚もやっぱりきれいだよ。…おや? あずささん、どうしたのかな?

あ? え? ちょ、あずささん、何するの!? ひどいよ、ひどいよ!

と、画面を割られてしまうのです。

でも、なぜあずささんは画面を割ったのでしょうか。

あずささんが画面を蹴った理由

ここで話はちょっと逸れます。

画面を割るというと、思い出すのが椎名林檎の「本能」。

暴力的な歌詞、沢田研二を彷彿とさせるような、マイナーコードでつづられたメロディ、絞り出すような歌唱。それからつくりだされる世界観を、青白く無機質な部屋の中、画面という枠を無表情で破壊し続けることによって、映像でも表現しています。



割った後も、脚を引きません。

割りまくり。

同じく『STYLISH QUEEN★』でも画面を割ります。確かにこれはインパクトのある演出。でも、そこで表現されるものはまったくの別物なのです。


画面をつま先で蹴って割るけれど、すぐに蹴った足を引いて、軸足の裏に隠します。このシーンで、「ああ、あずささんの怒り?はもう一応収まったっぽいな」と分かります。


で、割れてピントの調節が利かなくなったカメラ越しに見上げると、あっかんべーってするあずささん。

ここで気づきます。あずささんは、カメラ越しじゃなくて、直接僕に見てほしかったんだ、と。
あずささんはアイドルがお仕事ですから、カメラ越しの視線には慣れています。でも、(公称)ハタチの、一人の女の子としては、やっぱり好きな人には直に見てほしいので…ほし…
……
………えっ?

あ、ああああずささんっ! もしかして僕僕僕のことを…!
「ふふ、今ごろ気づいたんですか?」
「はいすいませんごめんなさい今気づきました鈍感でごめんなさいマヌケでごめんなさいでも好きッ! 好きなんですッ! あああ愛してますッ! けけけ結婚してください今すぐにッ!」

…と、まあ、画面を割るという効果で終わるのではなく、そこからほんの数秒のシークエンスで、お茶目で小悪魔っぽくて、しかも僕に惚れている、20歳の女の子の魅力(巨乳込みで)が表現されているわけです。しかも見終わってみればあずささんは僕の妻になっている。だから僕はずっと『STYLISH QUEEN★』を何度も見返してしまうのです。

あずささん、あなたがNo.1。

大事なことを忘れていました

文中、当たり前のように、「平成名物TV 三宅裕司いかすバンド天国」とか「ザ・ベストテン」とか「ザ・トップテン」なんて番組名や、「吉田建」なんて人物名を入れていますが、ekaoPは台湾籍・アメリカ在住の学生さんでした。
また、日本在住の人でも、当時の番組を知らなければ、分かりづらいかもしれません。
このあたりの固有名詞には、あまり深い意味はありませんので、読んでくれるという奇特な方は、適当に読み飛ばしてもらえるとうれしいです。
あともう一つ。画像をぺたぺた貼っていたら、やたら重くなってしまいました。次回の更新で、いちばん改善したい点です。痛い妄想については、諦めてください。そういう仕様ですから。